感謝の心が足りないから鬱になる
実家の母はよく、私に「感謝の心が大切」と口を酸っぱくして言っていました。
高校生の頃、いじめを受けて、醜形恐怖症になり、かろうじて学校には行っていましたが、自殺未遂や自傷行為を繰り返し、鬱っぽくなっていた時に、よくこの言葉を母が私に言いました。
「いじめはあなたに悪いところがあるから、いじめられるのよ?自分の悪いところはどこかちゃんと考えてそこを治しなさい。そうすればいじめられなくなる。人のせいにせずに、自分を省みなさい」(容姿いじめだったので、治しようがなかったのですが‥。それに私は自責の塊なので言われなくても、誰かのせいにしたことなんてないんですけども‥)
「自分のことばかり考えているから鬱っぽくなるのよ?他人のために汗を流していたら、そんなことにはならないの。ボランティアなどをして他人のために汗を流しなさい」
「感謝の心がないから、そんな鬱みたいになるの。何事も感謝の心を持って生きなさい。いつもお父さん、お母さんや周りの人、出来事にありがとうございますって感謝の心を持って過ごせば、鬱も治るのよ」
いや、正しいんですよ?ぐうの音も出ないほど正論なんですよ?素晴らしいアドバイスなんですよ?
うちの実家の家風として、感情に蓋をして、なんでも正論で解決したがるところがあります。父しかり、母しかり。
いや、私からすると、なまじ正しいから、そう言われたらもう何も言えなくなって、ますます私は抱えている辛さ、悲しみ、怒り、などを抑圧するしかなくなる、というか、正論で追い詰められて(ただでさえ追い詰められているのに)、気持ちの行き場がなくなってしまっていました。
実家にいた時は、よく”正しさ”に窒息しそうな気持ちになっていました。
感謝、感謝と言われるたびに、感謝の心が持てない自分にますます自責の念を抱くのでした。正直、いじめの状況が辛すぎて、視野が狭くなっていたので、感謝している余裕もありませんでした。
私がして欲しかったのは、正論で追い詰められることではなく、その時の悲しみ、怒り、辛い感情に「お前が悪い。お前に原因がある」と、ジャッジをせずに、ただ寄り添って欲しかっただけなのかもしれません。